アスペルカノジョ1-12話までの感想。

例のアスペルカノジョっていうのを読んでいるんだけど辛いです。どこか悪いっていうわけじゃないんだけどびっくりするくらい。辛いです
何が原因だかわからないけど胸がドキドキします。それは、恋とか恋愛とかその手の嬉いドキドキじゃなくてゾワゾワって嫌悪感がはい上がるようなドキドキの仕方がします。
 
なんだろう、この嫌悪感。前も感じたことあるなって思って、思い出したのは FF12-Ⅱでした。救いを求めて求め続けた先にあった、あの真エンド。この作品はどうなるかはわかりません。
 
1~12話を読みました。
流れが変わったのは8話からです。主人公の性癖が明かされて少しだけクスっときました。そこまでは本当にどうあがいても違和感が仕方がなかったです。
今も気持ち悪さは半分以上残っていて、それは残っているんですね。
・ヒロインの依存的金銭感覚
・ヒロインの精神的依存
・ネットストーカー気質
・わざとじゃなかったのって言いながら、泣き出して許しを請う。
・足グセ
・ヒロインの目付きの悪さ
・主人公の危機感のなさ
・揚げ足を取って話をすり替える部分(人形のくだりとか)
・ストレスを暴力的行動で発散させるところ
他にも多分キチンと上げればあるんだろうけど、とりあえずこれくらいは簡単に出てくる。
 
 
ヒロインの私に必要なことだからと何かをしていて、あなたに干渉しているつもりはないよ。だから無視してて言いつつも、人の気を引こうとする態度が苛立ち共に胸に刺さる。
そうして、隣で人形を殴るとか、人の意見を聞かずに泊まり、パニックに陥り助けを求める。
近くで暴力的に振る舞われるだけで、人はとても嫌な気分になるのに、それをわかろうともしない。
そんなヒロインの女の子がとても嫌いです。
 
ビックリするくらいリアルなんですよね、この作品。これ、話がとてもリアル。
だから、トラウマのスイッチを押しに来て、めちゃくちゃつらいって思わせるところが本当に鋭い作品なのだとは思います(皮肉ではない)。
これだけトラウマを刺激されるヒロインに対する献身的な対応が、障害者に対しての参考になる接し方だって言われるのは、理屈では納得しますが、感情が今ちょっと追いついてこないです。(もうちょっとで飲み込むからまってほしい。)
 
ただ、これが公開されてることにとやかく言うことはありませんし、むしろ新しい視点をありがとうと思います。
この感想が作者に対して精神的負担をかけていたら本当にごめんなさい。ただ、自分の心の中を整理したいだけなのです
 
 
この作品は人のリアルな感情やトラウマを突っついてくる。それを起こす話作りや構成、人物や表情の作り方もすごい。すごい作品だなと思いました。
なかなか普通の作品じゃこんな味はでない。
だからこそ、賛否両論の意見が出ます。
 
発達障害(二次障害)の気持ち悪いところを見せ付けられると、過去に何かあり傷ついたり、自己嫌悪をしている人たちはトラウマを刺激されることがあると思います。
だから多分この作品を嫌いな人は少なくないと思う。
 
そして、主人公の自身を考慮しない捨て身な献身は、女の子を一度は救うと思うし、救った後に幸せを零さないで保持し続ける可能性もある。
だから、いつ壊れてしまうかわからない不安定さの上に成り立つ恋愛を素敵に思う人も相当数いるんじゃないんでしょうか。
私もこの作品を今はちゃんと評価しようと頑張って読み進めているから、ギリギリ読めています。
私の中の価値観だと最終話まできちんと読まないで、途中の段階で評価を下すのは作者にとって失礼だし。
私から見ると失礼なので、間違った事を言いたくないので最後まで読むことはします。
 
 
主人公は珍しいほどの聖人。
それなのにその主人公に与えられたのは主人公よりずっとずっと弱いヒロイン。
ずっとずっと弱いだけじゃなく、本当なら必要もないはずの厄介事を引っ張ってきて主人公に叩きつける。
聖人から与えられるものに対して、ヒロインが返せるものはなく、トラブルメーカーなのに救ってもらおうなんて考えてるなんて……(言葉にならない)。
……「羨ましい」し、「けしからん」って思いました。
 
そして、的確に人のことがわかるのに、本能的危機感だけで甘え続けて他の人の接近を許さないので、ヒロインが居なかったら主人公が幸せになれるんじゃないか。
ヒロインが主人公の幸せを許さないのではないか。そんなキモチが湧き上がってくることを抑えられませんでした。
 
聖人の素晴らしい心意気を独り占めしようとする。ヒロインが「それが誰かに与えられているのを見るだけで、想像するだけで苦でたまらない」っていうふうに独占欲を発揮するのは、現実的で気持ち悪い……です。
 
 
このヒロインが存在することがこの作品の醍醐味なので、ヒロインを居なくしろと主張することはナンセンスなことはわかっています。ヒロインをなくした漫画は全く別の料理になってしまうのです。それは理解してます。
 
 
この作品はびっくりするくらいリアルです。
断言してもいいです。これを書けるのは才能です。
作品の細々とした色んな部分の一つ一つが小さな嫌なことを思い出させるのです。
過去に私がしてきて自己嫌悪に陥っていること。過去に私がされたこと。
それこそ一つ一つが小さな引っかき傷程度のものなのですが、大量に浴びると…ね。
ちょっとだけドキドキしてしまうのは止められません。
 
好き嫌いの感情のブレはありますが、ここまで心を動かすことが出来るのはすごい作品だと思います。
作品自体の書き方が悪いとか人物が気に入らないとか、そういうことは一切ありません。
作者からはひたすらに真摯に書いてる姿勢は伝わってくるのですが、私が耐えられないのでごめんなさいって感じなだけなのです。
 
大事なことなのでもう一度、
この作品は人のリアルな感情やトラウマを突っついてくる。
リアルな感情を感じさせる「話作り」や「構成」、「人物」や「表情の作り方」もすごいのです。
 
※2017/07/20 「びっくり」、「気持ち悪い」という単語が多すぎて語彙がなくなっていたため修正しました。読了直後の文面は読む人のことを考えていなかっため、なるべく柔らかい表現に落とし込みました。
 
13話以降読めたら、感想書くかも。